森林整備 
  ○森林経営計画
  ○造林補助事業
  ○事業説明会
  環境創造
  ○植栽 
  ○地域性苗木
  ○モニタリング
  労働保険
  購買
大台町では、鹿の食害が著しく、大台ケ原の日出ヶ岳周辺に代表されるように鹿の皮剥ぎなどによって樹木が枯れることがあり、また、幼木が食害にあうこと等により森林は天然更新されず、裸地化・草地化が進み、自然林が失われつつあります。

近年増加している人工林の造林未済地では、自然林同様に鹿の食害などのため天然更新は望めず、造林地であっても、担い手不足等から手入れの行き届かないところでは樹木が密集して太く育たず、光の差し込まない下層では植生が減退しています。
その結果、土壌が流出し、専門家からは、森林が本来持つ水源涵養機能や緩衝機能は期待できず、山腹崩壊の危険性もあると指摘されています。
 
●大台ケ原の森林状況   
  日出ヶ岳山頂では樹木が殆ど生育していない
  ところがあります。
 
  天然ヒノキ林です。桧の適地では倒木更新
  など健全な更新が行われています。

●鹿の食害
 
  
  見通しの良いきれいで豊かな森林に見えますが、ディアライン(deer line)と呼ばれる
  鹿の食べあとだと言われています。1m50㎝程度の高さの範囲の樹木や草がほとんど見られません。
  森林は、環境にとっても、資源としても、重要な財産ですが、このままでは、天然更新は行われず、
  自然林でも衰退していくだろうと専門家からは指摘されています。
   
 


宮川森林組合では、樹木の適正な成長を促し、広域的・効率的な木材利用を可能にするための森林整備を推進しています。森林整備にあたっては、森林経営計画を策定し、国や県の補助金を活用した施業(造林補助事業)を行っています。
施業の効率化を図るため、施業地の団地化や集約化、施業履歴の電子ファイル化などにも取り組んでおり、森林所有者の皆様への事業説明会を実施しています。

また、宮川森林組合では、森林整備の一環として、山腹斜面の防災性(治山機能)を向上させ、地域の自然回復の拠点づくりをするといった、さまざまな目的をもった山づくり(環境創造事業)にも取り組んでいます。

これまでの、スギ・ヒノキといった単一な木材生産から脱却していくことを目指し、多様化していく市場ニーズに応じて、付加価値の高い樹種(広葉樹)を育成していけるよう、自然配植技術に基づいた植栽を行っています。植栽に使用する苗木は、地元大台町で採った種を育てて生産し(地域性苗木)、植栽地では、モニタリング調査としてその後の経過観察を実施しています。

育成した広葉樹をいかした商品開発を行い、広葉樹での新ビジネス森の彩)にも取り組んでいます。